こんにちは!今年−8kgのダイエットに成功し、久しぶりに会った地元の友達に「大丈夫?」と心配されるくらい細くなったB3の上原です!
最近は研究に勉強に部活にと、いろいろな経験ができており、大学生活がとても充実しています。
陸上に関しては私自身かなりの寒がりで、毎年12月以降はパフォーマンスが落ちてしまうのですが、今年は一味違う走りを見せられるように頑張ります!

高校3年時の上原歓志の図(高校のスローガン:輝いて生きる)
さて本題ですが、私は光工学プログラムに所属しているので、せっかくなら光にまつわる陸上についての話をしたいなと思いました!ということで、今回は「光工学の視点でみる陸上競技」のテーマで、身近な光技術と陸上競技の関わりを紹介します!
① タイミング計測 ― 光が捉える“瞬間”
世界大会で、スタートやゴールの正確な時間をどうやって測っているか気になったことはありませんか?実はここに光の匠による高度な光技術が使われいます。
まずスタート時の光技術です。
世界大会では公平性を保つため、スタートピストルの信号が光ファイバーを通じてスターティングブロックに伝達され、各ブロック内蔵スピーカーから同時に音が鳴る仕組みになっています。
スタートと同時に地面を蹴ると、ブロックに搭載された圧力センサが反応します。スタートピストル音が鳴ってから0.1秒以内に圧力が検出された場合はフライング(ファール)となります。
このわずか0.1秒の判定を支えているのが、「光クロック」と呼ばれる正確なタイミング制御装置です。
次にゴールで使われる光技術について。
ゴールの着順とタイムは、光電管とフォトフィニッシュカメラによって決められます。
光電管から出る赤外線はフィニッシュラインの上に設置され、選手が通過した瞬間に遮られることで速報タイムを自動表示します(赤外線は地面から約150±20mmの高さにあります)。
その後、1秒に2000枚もの写真を撮影するフォトフィニッシュカメラで着順と公式タイムを決定します。公式タイムは1000分の1秒単位まで計測可能です。
実はこれ全て光の技術なんです。現代陸上の正確なタイム計測、公正なジャッジは光の匠による細やかでかつ鮮やかな技術の上に成り立っているのです。
おまけ1
実は昔、スターターピストルに本物の拳銃が使われていたってご存じですか?
かつては空砲を鳴らすために本物の銃を使用していた時代もあり、海外では拳銃を扱える警察官がスターターを務めることもあったそうです。
② 光で“鼓動”を読むスマートウォッチ
ランナーの多くが手首につけているGPSウォッチ。
たとえば Garminや COROS などの機種では、心拍数・ピッチ・ランニング上下動・走行距離などをリアルタイムで計測できます。
走行距離は複数の衛星(GPS・GLONASS・Galileoなど)からの電波を受信して、あなたの現在位置(緯度・経度・高度)をリアルタイムで特定します。ガーミンデバイスには、1秒ごとにGPSデータを記録する秒ごと記録、方向転換やペースの変化があったときに自動でGPSデータを記録し直線や一定のペースで進んでいる間は、記録間隔が長くなるスマート記録の2つのデータ記録設定があり、多くのユーザーは、デフォルト設定である「スマート記録」を使用しています。
また心拍数は腕時計の裏側に見える緑色の光を使って計測しています。それを「光電式心拍センサー」とよびます。
皮膚に光を照射し、血液中のヘモグロビンが吸収する光の変化から心拍を計算しています。
つまり、ランナーの鼓動すら“光”で読み取っているのです。
③ トラックの色と光の科学
皆さん、陸上競技場って2種類あるのはご存じでしょうか?同じように、トラックの色にも物理的・心理的な理由があります。
| 色 | 特徴 | 効果 |
|---|---|---|
| 赤 | 酸化鉄顔料を使用。光の吸収率が高く、熱を持ちやすい。 | 気分を高揚させる・モチベーションを上げる |
| 青 | 合成顔料+ポリウレタン樹脂。反射率が高く温度上昇を抑える。 | リラックス効果・集中力を高める |
2000年代以降、光に強い有機顔料や紫外線耐性の高い素材が開発され、「赤いトラック」から「青いトラック」へと進化しました。
つまり、あの青いトラックはデザインではなく、光の科学の成果だったのです。
おまけ2 世界のトラックはカラフル!
競技場の色は赤と青だけではありません。
自然と調和させるために緑色のトラックを採用する学校や公園もあります。
さらに、2024年のパリオリンピックでは、なんと「紫色」のトラックが登場!薄紫と濃い紫の2色を使い、選手の集中力と“画面映え”の両立を狙ったそうです。
おまけ3 黄色いハードルは速く跳べる!?
ある研究では、小学生を対象に「黄色いハードル」と「白黒のハードル」でタイムを比較したところ、黄色の方が2〜5%速く跳べたという結果が出ました。
黄色は網膜で焦点が合いやすく、注意を集中しやすい色なんです。
最後に
現代の陸上競技は、光工学の技術によってより公平に・正確に・安全に進化し続けています。
そして選手自身がパフォーマンスを分析・改善するためのツールにも、「光」は欠かせません。
光って本当にすごいですよね!
ぜひB1、B2の皆さんも、少しでも興味があれば光工学プログラムに入ってみてください!
次は同じ光工学プログラム所属の「驚異の子」こと池田隼人君にお願いしたいと思います。よろしくお願いします!
