~イタリアで古くから伝わるはずだった仲良し4人の物語~
今日は4人で誕生日パーティーをしています。
???「お誕生日おめでとう!」
???「わー、ありがとう!みんなが私の家に来てくれてすごく嬉しいよ。早速ピザ食べよう!」
???「やったー。」
???「定番のやつだー。おいしいよね。」
???「じゃあ、僕が切るよ。」
???「わかった。じゃあ、一口 小(ひとくち しょう)くんにお願いするね。4人だけど、どうやって切る?」
一口「う~ん、僕ならこんなふうに切るかな…」
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???「えぇーーーー!!」
一口「おいしそうでしょー。じゃあ、今から切るね。」
???「待って待って待って!」
???「食べにくいじゃん!」
???「ふざけんなよ!」
一口「えー、そんなに変なのかな。じゃあ、巻 太(まき ふとし)くんは、どうやって食べるの?」
巻「う~ん、俺ならこんなふうに食べるかな…」
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一口、???、???「えぇーーーー!!」
巻「この食べ応えがたまらないよな!」
???「巻くん、どうしちゃったの!?」
一口「僕は顎外れちゃうよ。」
???「ちょっと、これじゃあピザじゃなくてカルツォーネみたいじゃない!」
巻「そんなのがあるんだ!俺はこの食べ方しか知らなかったぞ。じゃあ、細長 切過(ほそなが せつか)ちゃんは、どうやって切るの?」
細長「う~ん、アタシならこんなふうに食べるかな…」
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一口、巻、???「えぇーーーー!!」
細長「じゃーん、するめみたいに食べられていいよね。」
巻「なんでだよ。」
???「却下ね。」
一口「食べにくいったらないよ。」
細長「初めて否定されたからショックだよ…。じゃあ、取間 具先(とりま ぐさき)ちゃんはどうやって食べるの?」
取間「う~ん、私ならこんなふうに食べるかな…」
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一口、巻、細長「えぇーーーー!!」
取間「やっぱこれでしょー。」
細長「生地だけになっちゃった…」
一口「・・・」
巻「ドン引きなんだけど…」
取間「これが定番じゃないの!?」
4人は自分が当然だと思っていたピザの食べ方を否定されて自尊心を失い、パニックになりました。そして、どの食べ方にするか決められず、ケンカしてしまいました。
巻「もういい💢俺の食べ方にするぞ。」
細長「なに言ってんの💢アタシが切る!」
一口「だめだよ💢僕が切るの!」
取間「ちょっと💢私のが一番!」
4人は自分の食べ方が最適だと信じていてピザを取ろうとして引っ張り合いました。
すると・・・
4人「うわぁーーー!!」
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一口「めっちゃいい切り方じゃん!」
巻「ちょうど4等分じゃねぇか!」
細長「ほんと。奇跡だよ!」
取間「たくさんの人に教えてあげたいね」
4人「・・・」
細長「なにケンカしてたんだろ、アタシたち。」
巻「俺たちは仲良しだもんな!」
一口「うん、もう疲れてお腹すいたよ。」
取間「そうだね、じゃあ食べよっか」
4人「いただきまーす」
こうして4人の絆はさらに深まり、誕生日パーティーを楽しみました。そして、ピザは中心を通って等分する切り方が定着しました。
※実在する人物とは一切関係ありません
(チーズカレーはまちがえて4分焼き→8分焼きにしてだいぶ焦がしました)
~没~
理由:チーズと生地の色が似ていてチーズを先に取ったのかわかりにくい
作 Ordinario Foresta Albero (terzo piano interrato)
訳 平林 樹 (B3)
写真 Hirabayashi Tatsuki (-3)
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