みなさん、こんにちは。
春からD2になる狩野遼太郎です。
今日は運動パフォーマンスとかなり関係のあるミトコンドリアについて書きます。
ミトコンドリアとは細胞小器官の1つで主な役割としては酸素を使ってATPを産生することが挙げられます(それだけではなく、細胞が生きる上で必要な仕事をたくさんしていますが)。運動は強度にもよりますが安静時よりも大量のATPが必要になります。みんながよくやっているウインゲートテストは安静時の100倍ATP量が必要のようです。
そして、筋肉(骨格筋)の中にもミトコンドリアが蠢いています。
持久的な運動すると持久力が伸びることは誰もが知っていると思いますが、その要因の1つに筋肉でミトコンドリアの量が増え、ミトコンドリア1つ1つの質がよくなることが挙げられます。1967年にJ O Holloszy先生が世界で初めて、運動すると筋肉でミトコンドリアが増えることを証明しました。このような功績が讃えられ、研究者としてオリンピックでメダルをもらったそうです。
では、なぜミトコンドリア量が増えると持久力が向上するのでしょうか?
それは、簡単にいうとエネルギー通貨であるATPを供給する能力が上昇するためです。実際にミトコンドリア量の指標であるクエン酸合成酵素の活性は持久性能力の指標であるVO2Maxと強い相関関係にあります。
では、なぜ運動するとミトコンドリアが増えるのでしょうか?
それは、運動によって筋肉の細胞でさまざまなイオン(Ca2+ など)や分子(H2O2など)のレベルが高まり、ミトコンドリアを増やせというスイッチが入るからです。このスイッチが入ると筋肉の細胞内のPGC1aという転写共役因子が核の中移行して、DNAのミトコンドリアタンパク質を制御しているプロモーター領域の転写を活性化させます。そして、転写活性化により増加したmRNAがミトコンドリアタンパク質になることでミトコンドリア量が増えるようです。(一回の運動でミトコンドリア量が増えるのではなく、上記の流れを何回か繰り返すと量が増えます)
今日はミトコンドリアと運動の関係について簡潔に書きました。次回はミトコンドリア量を増やす効率的なトレーニング方法やミトコンドリアの質について書いていきたいと思います。
ミトコンドリアを増やす練習が大好きな長田を下記に添付しておきます。